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高齢の家族が歩くのに不安を感じ始めたとき、まず検討したいのが歩行器の導入です。「いきなり購入するのは不安」「そもそも介護保険で借りられるのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、高齢者向け歩行器は要支援1以上の認定があれば介護保険を活用してレンタルでき、月額自己負担は数百円程度で済むケースが一般的です。また、2024年4月の介護保険制度改正により、固定式・交互式歩行器については「レンタルか購入か」を選択できる制度に変わっています。
この記事では、歩行器レンタルの制度の仕組み・費用・手続きの流れに加え、種類の選び方や2024年改正の内容まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- ✅ 介護保険を使った歩行器レンタルの条件・費用がわかる
- ✅ 歩行器・歩行車・シルバーカーの違いが整理できる
- ✅ 2024年の制度改正(レンタル・購入選択制)の内容がわかる
- ✅ 介護保険が使えない場合の自費レンタルの選択肢もわかる
歩行器のレンタルは可能?高齢者が利用できる制度と仕組み

歩行器は介護保険の「福祉用具貸与」の対象品目です。要介護認定を受けた方であれば、費用の大部分を保険でカバーした上でレンタルできます。
介護保険を使った歩行器レンタルの条件
介護保険で歩行器をレンタルするには、市区町村から要支援1以上の要介護認定を受けていることが必要です。介護保険の「福祉用具貸与」の対象として、歩行器は要支援1から利用できます。
また、ケアマネジャーが作成するケアプランに歩行器の貸与が位置づけられることも条件になります。身体状況や生活環境から歩行器が必要と判断された場合に、指定福祉用具貸与事業者を通じてレンタルできます。
費用の自己負担割合は所得に応じて1割・2割・3割のいずれかです。たとえば月額レンタル料が2,000円の歩行器であれば、自己負担は200〜600円程度になります。
介護保険が使えない場合の自費レンタル
要介護認定を受けていない場合や、認定申請中で結果待ちの間は、民間の自費レンタルサービスを利用できます。
自費レンタルの料金相場は月額1,500円〜5,000円程度。短期利用向けに1週間単位で借りられるサービスもあります。介護保険と違い、メンテナンスや配送料が別途かかる場合があるため、契約前にトータル費用を確認しましょう。
認定申請中の一時的な利用や、まず試してみたい方には、自費レンタルが便利です。往復送料無料で自宅に届くモノカリのような宅配レンタルサービスも選択肢の一つです。
ケアマネジャーに相談するメリット
介護保険を活用する場合は、まず担当ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談するのが最も確実な一歩です。
- ケアプランへの組み込みと手続きを代行してくれる
- 身体状況に合った歩行器の種類を専門的視点で提案してくれる
- 地域の指定福祉用具貸与事業者を紹介してもらえる
- 複雑な書類手続きが苦手な方でも安心して進められる
歩行器・歩行車・シルバーカーの違いとは?介護保険の対象になるのはどれ?
「歩行器」「歩行車」「シルバーカー」は名称が似ていますが、用途・構造・介護保険の適用範囲がそれぞれ異なります。選ぶ前に違いを正確に把握しておくことが重要です。
| 名称 | 主な用途 | 構造の特徴 | 介護保険の適用 |
|---|---|---|---|
| 歩行器 | 室内が中心 | 脚部のみ、または前輪付き。体を預けて使う | ○ 要支援1以上で対象 |
| 歩行車(歩行補助車) | 屋外が中心 | 4輪キャスター付き。ハンドルとブレーキあり | ○ 要支援1以上で対象 |
| シルバーカー | 屋外での荷物運搬補助 | 買い物バッグ付き。歩行の支えより荷物運搬が主目的 | ✕ 介護保険の対象外 |
ポイントはシルバーカーは介護保険の対象外という点です。「手押し車」と呼ばれるタイプでも、荷物運搬が主目的のシルバーカーは福祉用具貸与の対象になりません。一方、歩行補助が主目的の歩行車(歩行補助車)は対象です。選ぶ際はケアマネジャーに確認してください。
2024年改正で何が変わった?歩行器のレンタルと購入、どちらを選ぶべきか
2024年4月の介護保険制度改正により、歩行器の一部について「レンタルか購入かを利用者が選択できる」制度が導入されました。
選択制の対象になる歩行器・ならない歩行器
- 選択制の対象(レンタルまたは購入を選べる):脚部がすべて杖先ゴム等の形状である固定式歩行器・交互式歩行器
- 選択制の対象外(レンタルのみ):車輪・キャスターが付いている歩行車(歩行補助車)
厚生労働省の規定では、「車輪・キャスターが付いている歩行車は選択制の対象外で、引き続きレンタルのみ」とされています。
レンタルと購入、どちらが向いている?
- レンタルが向いているケース:身体状態の変化が見込まれる方、まず試してみたい方、メンテナンスを任せたい方、短期〜中期の利用を想定している方
- 購入が向いているケース:長期間にわたる安定した利用が見込まれる方、自分のものとして所有することでモチベーションが上がる方
高齢者の身体状態は変化しやすいため、多くのケースではまずレンタルを選ぶことが推奨されています。不要になれば返却でき、状態の変化に応じて別の機種に切り替えることも可能です。
高齢者向け歩行器レンタルの費用はどれくらい?
費用は介護保険を使う場合と自費レンタルの場合で大きく異なります。
介護保険適用時の負担額と相場
介護保険が適用されると、レンタル費用の7〜9割が保険でカバーされます。
- 歩行器の介護保険レンタル価格:月額2,000〜4,000円程度が相場
- 自己負担1割の場合:月額200〜400円程度
- 自己負担2割の場合:月額400〜800円程度
- 自己負担3割の場合:月額600〜1,200円程度
レンタル料金には定期的なメンテナンス・点検費用が含まれることが多く、故障時の修理・交換も業者が対応してくれます。購入後のメンテナンスを自己管理する手間を考えると、コストパフォーマンスは非常に高い制度です。
自費レンタルの料金目安
介護保険を利用できない場合は自費レンタルになります。
- 月額:1,500〜5,000円程度
- 短期(1週間):500〜1,500円程度
- 配送・返却送料:1,000〜3,000円程度(別途)
- 契約事務手数料:500〜2,000円程度(サービスによる)
長期レンタルと購入のコスパ比較
歩行器の購入価格は1万5,000〜3万円程度が一般的です。自費レンタルで月額3,000円の場合、5〜10か月で購入費用と並びます。長期間の継続利用が確定している場合は購入のほうが安くなる計算ですが、返却・メンテナンスの手間や身体状態の変化への対応を考えると、レンタルには費用以外のメリットも多くあります。
高齢者向け歩行器レンタルの流れと必要な手続き

STEP 1:要介護認定を受ける
介護保険を使うには、まず市区町村の窓口(または地域包括支援センター)に要介護認定の申請を行います。申請から認定結果の通知まではおおよそ30日程度かかります。認定結果が出る前に急ぎで歩行器が必要な場合は、認定申請中でも自費レンタルで対応し、認定後に切り替えることも可能です。
STEP 2:ケアマネジャーに相談してケアプランを作成
要支援1以上の認定を受けたら、担当ケアマネジャーにレンタルの希望を伝えます。ケアマネジャーがケアプランに歩行器の貸与を組み込み、指定福祉用具貸与事業者を紹介してくれます。
STEP 3:指定福祉用具貸与事業者と契約
介護保険を使う場合、自治体に登録された「指定福祉用具貸与事業者」から借りる必要があります。無登録の業者では保険が適用されないため注意してください。事業者と契約する際に確認すべき点は以下のとおりです。
- 利用料金(保険適用後の自己負担額)
- 配送・設置・回収にかかる費用
- 故障時の対応と費用負担
- 解約・変更時の手続きと料金
必要な書類
- 要介護認定通知書
- ケアプラン
- 主治医意見書(場合による)
- 契約書類
書類が揃い手続きがスムーズに進めば、申請からレンタル開始まで1〜2週間程度が目安です。自費レンタルの場合は申し込み翌日に届くサービスもあります。
歩行器の種類と選び方|固定型・交互型・キャスター付きを比較

歩行器の3つの種類
歩行器は大きく3つのタイプに分類されます。身体の状態と使用環境に合わせて選ぶことが最も重要です。
- 固定型(ピックアップ型):両手で持ち上げて前方に運びながら進む。安定性が高く、室内でのリハビリ初期や足腰が弱い方に向く。ただし段差がある場所では使いにくい。
- 交互型:左右のフレームを交互に動かして前進する。固定型より自然な歩行に近く、より早く歩ける方向け。
- キャスター付き(歩行車):前輪のみ、または四輪すべてに車輪が付いたタイプ。持ち上げずに押して進めるため、屋外利用や長距離移動に向く。ブレーキ機能付きモデルが主流。
室内用・屋外用の違い
- 室内用:コンパクトで小回りが利く。カーペットや畳の上でも動かしやすい設計。固定型・交互型が多い。
- 屋外用(歩行車):大きめのタイヤと安定したフレーム構造。段差・凹凸のある地面に対応。ブレーキ、バスケット付きモデルも多い。
軽量・折りたたみ式を選ぶメリット
軽量な歩行器は本人が操作しやすいだけでなく、介護者が持ち運ぶ際の負担も軽減します。折りたたみ式であれば車のトランクに収まり、通院・外出時の利用にも対応できます。
安全面・安定性のチェックポイント
- グリップに滑り止め加工があるか
- ブレーキ機能の有無と操作のしやすさ
- フレームの幅と高さが体格に合っているか
- 重心が安定する構造かどうか
実際に使ってみてフィット感を確かめることが重要です。ショールームを備えた事業者や、試用期間を設けているサービスを選ぶとより安心です。
高齢者向け歩行器レンタルに関するよくある質問

Q. 要介護認定を受けていなくても歩行器をレンタルできますか?
A. はい、自費レンタルであれば認定なしで利用できます。ただし介護保険の適用はなく、費用は全額自己負担になります。認定申請中の間は自費レンタルで対応し、認定後に保険適用に切り替える方法が一般的です。往復送料無料で自宅に届くモノカリなどのサービスも選択肢です。
Q. 返却時に費用はかかりますか?
A. 介護保険レンタルでは、返却時の費用は原則かかりません。自費レンタルでは返却送料として1,000〜3,000円程度かかるケースがあります。契約前に確認しておきましょう。
Q. 歩行器が故障した場合はどうなりますか?
A. 介護保険レンタルでは、通常の使用による故障は業者が無償で修理または交換対応します。自費レンタルの場合は契約内容によって対応が異なるため、事前に「故障時の対応」を確認しておくことが安心につながります。
Q. シルバーカーは介護保険でレンタルできますか?
A. できません。シルバーカーは荷物運搬補助が主目的のため、介護保険の福祉用具貸与の対象外です。歩行補助が主目的の歩行車(歩行補助車)は対象となりますので、ケアマネジャーに相談して判断してもらいましょう。
Q. 試用できるサービスはありますか?
A. ショールームで実際に試せる事業者もあります。長期レンタルや購入を決める前に体験することで、サイズや使い心地のミスマッチを防げます。ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談すると、試用できる業者を紹介してもらえるケースもあります。
まとめ
- 要支援1以上の認定があれば介護保険でレンタル可能。月額自己負担は数百円程度が目安。
- 2024年4月の制度改正により、固定式・交互式歩行器はレンタルか購入かを選択できるようになった(歩行車はレンタルのみ)。
- 歩行器・歩行車・シルバーカーは別物。シルバーカーは介護保険の対象外。
- 種類は固定型・交互型・キャスター付きの3種類。身体状態と使用環境に合わせて選ぶことが最重要。
- 認定申請中や保険対象外の場合は自費レンタルも選択肢。モノカリ
などの宅配レンタルサービスを活用する方法もある。
- まずはケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談することが、スムーズなレンタル開始への近道。






