ただでさえ費用がかさむ一人暮らし。そこに家電を一気に購入すると、最初の費用だけで10万円以上かかることもあります。

こんなとき、家電をレンタルで済ませることを考える人も多いでしょう。たしかに、月額6,000円で電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機が使えるなら、最初はお得に見えるかもしれません。

しかし、実際に利用した人の口コミやレビューを調べると「解約金がかかる」「長期だと割高になる」「中古が届いた」など、想定外のデメリットに驚いたという声が多く見られます。例えば、大手レンタルサービスのレビューサイトでは、「契約内容をよく確認せずに申し込んでしまい、解約時に高額な違約金が発生した」という事例も報告されています。

この記事はそんな一人暮らしのビギナーに向けて、家電レンタルで後悔しないために、依頼する前に知っておきたいリアルな情報を完全ガイドでお伝えします。

記事のポイント

  • 家電レンタルの5つのデメリット
  • レンタルに向いている人と向いていない人の違い
  • 購入とレンタルを比較したときのお得な判断基準
  • 「後悔しない」ためのチェックポイント

一人暮らしで家電レンタルを使う5つのデメリット

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レンタル家電は初期費用を抑えられるなどのメリットもありますが、実際に利用を始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も少なくありません。ここでは特に気をつけるべき5つの代表的なデメリットを、初心者にもわかりやすくご紹介します。

長期利用だと購入より割高になる

家電レンタルは月額制であることが多く、一見手軽に見えますが、長く使えば使うほど費用がかさむ傾向があります。例えば、2ドアの冷蔵庫を月額2,500円でレンタルした場合、1年で3万円、2年で6万円になります。家電量販店で同等の冷蔵庫を新品で購入すれば、安いもので3万円前後、高性能モデルでも5万円以内で手に入るケースも多く、2年以上の利用なら購入したほうが安くなる可能性が高いです。

中古家電が届く場合がある

レンタル料金が安く設定されているプランの多くでは、中古の家電が提供されることがあります。中古といっても動作確認や清掃はされていますが、前の利用者の使用感が気になる人もいるでしょう。また、見た目が少し傷ついていたり、機能が古かったりすることもあり、新品を期待していた場合にはギャップを感じやすいです。

最低利用期間があり途中解約できないことも

多くのレンタルサービスでは、最低利用期間が設定されており、その期間中は解約できないというルールがあります。たとえば「最低12カ月契約」の場合、6カ月で引っ越すことになっても残り6カ月分の料金を払わなければなりません。また、途中解約に違約金が発生することもあるため、契約前には必ず確認する必要があります。

家電の種類や機能が限られる

レンタル家電のラインナップは、基本的な冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどが中心で、種類が限られていることが多いです。また、用意されている家電のスペックも中〜低価格帯が中心で、「自動お掃除機能付き」や「静音設計」など、細かい機能まで選べないケースが多いです。自分のライフスタイルに合った家電を細かく選びたい人にとっては、やや不便に感じるかもしれません。

自分の所有物にならない

レンタルである以上、家電は自分の所有物にはなりません。そのため、傷をつけたり、壊してしまった場合には追加費用が発生することもあります。大切に使っていても経年劣化での破損が起きることもあり、こうしたときに備えるには、保証内容をしっかり確認しておく必要があります。また、契約終了後は返却しなければならないため、気に入ったとしてもそのまま使い続けることはできません。

このように、家電レンタルには明確なデメリットが存在します。特に2年以上使う予定がある人や、家電の機能やデザインにこだわりがある人は、購入を検討したほうが後悔しにくいでしょう。

公益財団法人日本賃貸住宅管理協会によると、単身世帯は3年3ヵ月、ファミリー世帯で5年1ヵ月というデータもあります(公益財団法人日本賃貸住宅管理協会参照 URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000022156.html)

この期間を超える可能性がある場合は、レンタルよりも購入が賢明な選択と言えるかもしれません。

一人暮らしで家電レンタルを検討する前に知っておくべきこと

結論からお伝えすると、家電レンタルは短期利用には便利ですが、契約内容を理解せずに使うと損をすることがあります。とくに、「初期費用を抑えたい」という理由だけで選ぶと、思わぬ出費や不便さに直面することがあるため注意が必要です。

ではなぜそう言えるのか、家電レンタルの仕組みや特徴について順を追って解説していきます。

家電レンタルの仕組みとは?

家電レンタルとは、冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの日常生活に欠かせない家電を一定期間だけ借りることができるサービスです。月額費用は家電の種類によって異なりますが、冷蔵庫なら月々2,000円〜3,000円、洗濯機なら3,000円〜4,000円程度が相場です。これらを「セット」で借りるプランもあり、一人暮らし用の3点セット(冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ)で月額6,000円〜8,000円が一般的です。

契約期間は短期(1カ月単位)から長期(1年・2年契約)までさまざまで、契約満了後は返却するか、買い取るかを選ぶ場合もあります。借りている間はレンタル会社が修理や交換を保証してくれる場合が多いため、万が一の故障にも安心です。

家電のサブスクとの違い

「家電レンタル」と似たサービスに「家電のサブスク」があります。どちらも家電を月額で借りる点は同じですが、サブスクは利用中に家電を交換できる柔軟性があることが特徴です。

例えば、冷蔵庫から衣類乾燥機に変更したいといった要望に応じられるプランがあったり、一定期間使ったあとはそのまま買い取れる選択肢が用意されていたりします。

レンタルは「契約期間中は同じ家電を使い続ける」ことが前提である一方、サブスクはライフスタイルの変化に対応しやすい仕組みといえるでしょう。

新品と中古、どちらが届くの?

レンタル家電は、新品と中古のどちらが届くかはプランによって異なります。格安プランでは中古品が届くことが多く、見た目に多少の使用感があることもあります。逆に、新品指定のプランは料金が高めに設定されている場合が多いです。

中古でも動作確認やクリーニングは行われていますが、見た目の傷や製造年の古さが気になる方は、事前に「新品指定可」「製造年数」などの条件をよく確認することが大切です。

なお、衛生面が特に気になる人は、冷蔵庫や洗濯機など水を使う家電については、新品を選ぶか、購入を検討するのが無難です。

短期と長期、費用はどう変わる?

家電レンタルの費用は、短期利用ではお得感がありますが、長期になると購入より割高になる可能性があります。たとえば、冷蔵庫を2年間レンタルすると月額2,500円×24カ月で60,000円になります。

一方で、同等クラスの冷蔵庫を家電量販店で購入する場合、新品でも30,000円〜40,000円程度が一般的です。中古であれば15,000円前後で手に入ることもあります。

したがって、1年以上の利用を予定している場合は、費用比較をしてから判断することをおすすめします。また、途中解約に違約金がかかるケースもあるため、契約書の内容をしっかり確認しておきましょう。

家電レンタルが向いている人と向いていない人の違い

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家電レンタルは便利に見えますが、すべての人に最適な選択肢というわけではありません。結論として、短期間の利用や一時的な居住に向いている人にはおすすめですが、長期的に住む予定のある人やこだわりがある人には向いていない場合があります。

この章では、どんな人が家電レンタルに適しているのか、またどんな人が注意すべきかを詳しくご紹介します。

レンタルが向いている人の特徴

1年以内の短期居住予定のある人にとっては、家電レンタルは大きなメリットがあります。例えば転勤や単身赴任、実家への一時帰省が前提となっている人などが該当します。

また、引っ越しが頻繁にある人や、初期費用を極力抑えたい学生・新社会人にも向いています。購入に比べて搬入・搬出の手間が少なく、保証付きのため故障時の対応も安心です。

さらに、ミニマリスト志向の人にも相性が良いです。自分で所有せず、必要な期間だけ使って返却できるため、物を持ちたくない人にとっては合理的な選択といえるでしょう。

レンタルが向いていない人の特徴

一方で、長期間の居住が前提の人や、家電の性能・デザインに強いこだわりがある人には、レンタルは不向きです。理由は、2年以上使用するなら購入の方が安くつく場合が多いためです。

例えば、冷蔵庫を2年間レンタルすると60,000円ほどかかるケースがありますが、同等クラスの新品を30,000円〜40,000円で購入できます。中古であればさらに安く入手できるため、長く使えば使うほどコストパフォーマンスは購入の方が高くなります。

また、レンタル家電は機能やサイズが限られており、自分に合ったスペックを細かく選ぶことができないのもデメリットです。日常的に使用頻度の高い家電こそ、自分に合ったものを選びたい人には、購入がおすすめです。

ミニマリストや引っ越しが多い人はどうか

物を持たないライフスタイルを実践しているミニマリストや、頻繁に住まいを変える人にとって、家電レンタルは非常に効率的です。必要なときだけ借りて、不要になれば返却するというサイクルは、無駄を省きたい人には最適です。

また、引っ越しのたびに大型家電を運ぶ手間や費用がかからないのも大きなメリットです。配送・回収費用は無料の業者も多く、総合的に見て負担が少ないといえるでしょう。

学生や新社会人は本当にお得?

一見すると、学生や新社会人にとって家電レンタルは魅力的に思えるかもしれません。たとえば、進学や就職を機に一人暮らしを始める際には、家電をそろえるのに10万円以上かかることもあります。その点、家電3点セット(冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ)を月額6,000円で借りられるサービスは、初期費用を大きく抑えることができて便利です。

しかし、大学生活や仕事を含めて2年以上その場所に住む見込みがある場合は、購入したほうが長期的には経済的です。一人暮らし向けの冷蔵庫や洗濯機は中古であれば1〜2万円台から購入でき、3点そろえても5万円以内に収まることもあります。

したがって、進学や就職のタイミングで「とりあえずレンタルにしておく」という選択肢は悪くありませんが、将来のライフプランも視野に入れて検討することが大切です。

家電レンタルと購入、どっちが安い?費用と条件を比較

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結論として、短期間だけ使用する場合はレンタルが便利でお得なこともありますが、長期間使うなら購入の方が経済的です。ここでは、家電レンタルと購入の費用面での違いをわかりやすく比較していきます。

月額費用とトータル費用の違い

家電レンタルは毎月決まった金額を支払う「月額制」が一般的です。例えば、一人暮らし向けの冷蔵庫を月額2,500円でレンタルした場合、1年間の費用は2,500円×12カ月で30,000円になります。2年間なら60,000円です。

一方で、同等の冷蔵庫を家電量販店で購入する場合、新品なら30,000円前後、中古なら15,000円前後が相場です。つまり、1年以上使うなら購入のほうがトータル費用は安くなる傾向があります。

初期費用ゼロの魅力と落とし穴

レンタルの最大のメリットは初期費用がかからないことです。引っ越し直後は敷金礼金や家具購入などで出費がかさむため、すぐに冷蔵庫や洗濯機をそろえられるのは大きな魅力です。

しかし、「初期費用がかからない」という言葉に安心して契約してしまうと、月々の支払いが積み重なって結果的に割高になることがあります。さらに、最低利用期間が設定されていることも多く、途中解約時には違約金が発生するケースもあります。契約書はしっかり確認する必要があります。

中古購入とレンタルのコスパ比較

家電を中古で購入するという選択肢もあります。リサイクルショップやフリマアプリを使えば、冷蔵庫や洗濯機を1〜2万円台で購入できることも多く、コストパフォーマンスは非常に高いです。

ただし、中古購入には「保証がない」「故障時は自己負担」「配送手配が必要」などのデメリットもあります。その点、レンタルは保証付きで、故障時は交換対応してくれる業者も多く、初期コストを抑えて安心を手に入れたい人にはレンタルの方が適している場合もあります。

長く使うなら購入がおすすめな理由

前述のとおり、使用年数が2年以上になるとレンタルより購入の方が安くなるケースが多いです。例えば、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジの3点をそれぞれ月額2,000円で借りると、合計月額6,000円、1年間で72,000円、2年間で144,000円かかります。

この金額であれば、家電量販店で新品を揃えることも十分可能です。さらに、購入した家電は自分の所有物になるため、転居時に持っていくことも、必要なくなったら売却することもできます。資産として残るという点も、レンタルにはない大きなメリットです。

一人暮らしで後悔しない家電レンタルの選び方

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家電レンタルはメリットもありますが、契約内容をよく理解せずに申し込むと後悔することもあります。契約の前にしっかり確認し、安心して利用できる業者を選ぶことが重要です。ここでは、レンタル契約前に確認すべきポイントを詳しく解説します。

契約前にチェックすべき条件とは?

家電レンタルは業者によって契約内容が異なります。契約する前に、以下のポイントを必ず確認しましょう。

  • レンタル期間の自由度: 短期間だけ借りられるのか、それとも最低利用期間があるのか。
  • 解約時のルール: 途中解約が可能か、違約金は発生するのか。
  • 家電の状態: 新品か中古か、使用年数や清掃・メンテナンスの基準。
  • 故障時の対応: 故障時に無償交換できるのか、それとも自己負担があるのか。
  • 配送・回収費用: 無料か有料か、地域によって異なるのか。

最低利用期間・解約金の有無

多くのレンタル業者では、最低利用期間が設定されていることが多いです。例えば「最低1年間利用」となっている場合、その期間内に解約すると違約金が発生することがあります。

また、短期レンタルが可能なプランでも、月額料金が割高になるケースがあります。自分のライフスタイルに合わせて、短期・長期どちらが得かを比較することが大切です。

保証内容や故障時の対応は?

家電レンタルの大きなメリットの一つが、故障時の保証です。しかし、保証内容は業者ごとに異なるため、以下の点を確認しましょう。

  • 故障時に無料で修理・交換が可能か。
  • 自然故障のみ保証され、利用者の過失による破損は対象外なのか。
  • 保証期間があるか、期間が過ぎると自己負担になるのか。

例えば、ある業者では「故障時は無償交換」となっていますが、「水濡れ・落下などの過失は対象外」といった制限がある場合もあります。保証内容を理解していないと、思わぬ費用が発生することがあるため注意が必要です。

信頼できるレンタル業者の選び方

レンタル業者を選ぶ際は、料金だけでなく、信頼性やサポートの質も考慮することが重要です。

以下のポイントをチェックすると、安心して利用できる業者を選びやすくなります。

  • 口コミ・評判を確認する: GoogleレビューやSNSで利用者の感想をチェック。
  • 公式サイトの情報が充実しているか: 契約条件が明確に記載されているか。
  • 問い合わせ対応が丁寧か: メールや電話での問い合わせ時の対応を確認。
  • 配送・回収の対応地域を確認: 自分の住んでいる地域が対象になっているか。

また、大手のレンタル業者は比較的サポート体制が整っているため、初めてレンタルを利用する人は大手業者を選ぶのが安心です。

まとめ

  • 家電レンタルは「初期費用を抑えたい」「短期間だけ使いたい」人には便利な選択肢
  • 長期間利用する場合は、購入の方が総コストを抑えられる
  • レンタルには最低利用期間や解約金、保証の有無などの注意点がある
  • 中古品が届く場合があるため、品質や衛生面を確認することが大切
  • 契約前に条件をよく確認し、自分のライフスタイルに合った選択をすることが重要